故事成語辞典
興味をひかれて、思わず身を前に出すこと。
おもしろそうな話に、みんなが膝を乗り出した。
冬の夜、ユズはこたつで宿題のプリントを広げていました。「自分の名前のわけを、家の人に聞いてみよう」という宿題です。「お母さん、わたしの名前って、どうしてユズなの」お母さんは「ゆずが好きだったからよ」とだけ言って、みかんをむき始めました。ユズは少しがっかりして、プリントに「くだものが好きだったから」と書きました。すると、お母さんが手を止めました。「あ、でもね。ほんとうは、ほかに決めてた名前があったの」ユズのえんぴつが止まりました。「生まれる前の日まで、『ナノハ』にするつもりでね。それがね、あなたが生まれた日の夜、お父さんが……」お母さんはそこでくすっと笑って、みかんを一ふさ口に入れました。「お父さんが、何?」気がつくと、ユズはこたつのふとんをおしのけて、膝を乗り出していました。プリントは、こたつのはしからすべり落ちています。「帰り道の八百屋さんで、ゆずを一つだけ買ってきたの。冬至の日だったから。『この子、ゆずのにおいがする』って、ずっと言ってたの」ユズはゆっくりすわり直して、プリントを拾いました。そして、さっき書いた一行を、消しゴムでていねいに消しました。
冬の夜、ユズはこたつで宿題のプリントを広げていました。「自分の名前のわけを、家の人に聞いてみよう」という宿題です。
「お母さん、わたしの名前って、どうしてユズなの」
お母さんは「ゆずが好きだったからよ」とだけ言って、みかんをむき始めました。ユズは少しがっかりして、プリントに「くだものが好きだったから」と書きました。
すると、お母さんが手を止めました。「あ、でもね。ほんとうは、ほかに決めてた名前があったの」
ユズのえんぴつが止まりました。
「生まれる前の日まで、『ナノハ』にするつもりでね。それがね、あなたが生まれた日の夜、お父さんが……」
お母さんはそこでくすっと笑って、みかんを一ふさ口に入れました。
「お父さんが、何?」
気がつくと、ユズはこたつのふとんをおしのけて、膝を乗り出していました。プリントは、こたつのはしからすべり落ちています。
「帰り道の八百屋さんで、ゆずを一つだけ買ってきたの。冬至の日だったから。『この子、ゆずのにおいがする』って、ずっと言ってたの」
ユズはゆっくりすわり直して、プリントを拾いました。そして、さっき書いた一行を、消しゴムでていねいに消しました。
話に引きこまれて、すわったまま膝を前へ進める様子を、そのまま言った言い方です。
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