ある日の帰り道、ユウトは駅前で、知らないおじいさんに声をかけられました。「すみません、市役所へはどう行けばいいですか」
ユウトは市役所の場所を知っていたので、指をさして道を説明しました。おじいさんは「ありがとう、助かりました」と、ていねいに頭を下げて歩いていきました。
家に帰ってその話をすると、お母さんは「道を教えてあげたのはえらいね」とほめてくれました。それから、少し真剣な顔になって続けました。
「でも、赤の他人に『いっしょに来て』と言われても、ついて行ってはだめよ。道を教えるときは、その場で説明するだけにしようね」
ユウトは「わかった」とうなずきました。そして、お母さんに聞きました。「でも、赤の他人でも、困っている人がいたら助けてあげたいな」
お母さんはにっこりして言いました。「その気持ちは大切だよ。自分で無理なときは、お店の人やおまわりさんなど、近くの大人を呼べばいいの」。ユウトは、困っている人を見かけたらどうすればいいか、家族で決まりを作っておくことにしました。