ある朝、ハナは空を見上げて、少し考えました。空はどんよりとくもっていて、遠くの山には黒い雲がかかっています。
天気予報では「午後から雨がふるでしょう」と言っていました。ハナは、玄関でかさを持って行こうとしました。すると、弟のリクが「朝は晴れてるから、いらないよ」と言って、かさを持たずに走って行ってしまいました。
ハナは念のため、自分のかさと、もう一本おりたたみのかさをランドセルに入れて家を出ました。
午後の授業が終わるころ、窓の外が急に暗くなり、ざあざあと雨がふり出しました。案の定、リクは昇降口で、困った顔をして立っていました。
ハナがランドセルからおりたたみのかさを出してわたすと、リクは目を丸くしました。「どうしてもう一本持ってるの?」。ハナは「リクがかさを忘れると思ったから」と笑いました。
家に帰ると、お母さんが「案の定、雨になったね。二人ともぬれなかった?」と聞きました。リクは「おねえちゃんのおかげで大丈夫だった」と答え、次の朝からは天気予報をちゃんと見るようになりました。