ある日の夕方、小学六年生のしょうたは、冷蔵庫の中にプリンを見つけました。おなかがすいていたしょうたは、何も考えずに食べてしまいました。
しばらくして、妹のあいが冷蔵庫を開けて、大きな声をあげました。「わたしのプリンがない。」そのプリンは、あいがおこづかいで買って、楽しみにとっておいたものだったのです。
しょうたは、どきっとしました。でも、あやまるのがいやで、つい言い返してしまいました。「名前を書いておかないのが悪いんだよ。」
あいは、なみだをうかべてだまってしまいました。そのやりとりを見ていたお母さんが、しょうたに言いました。「人のものを食べておいて、その言い方はないでしょう。それでは、盗人猛々しいと言われてもしかたがないわよ。」
しょうたは、何も言い返せませんでした。お母さんの言うとおりです。悪いのは自分なのに、あいのせいにしようとしていたのです。
しょうたは、自分の部屋にもどって考えました。もし自分のおやつを食べられて、あんなことを言われたら、どれほど悲しいでしょう。
次の日、しょうたは自分のおこづかいで、あいの好きなプリンを二つ買ってきました。「きのうは、ひどいことを言ってごめん。」あいは、少しおどろいてから、にっこり笑いました。
二人は、プリンをならんで食べました。しょうたは、もう二度と盗人猛々しいまねはしないと心に決めました。