ある日の朝の会で、担任の先生が言いました。「急なお知らせですが、先生は来月から、となりの町の学校に移ることになりました」
クラスのみんなは、しんとしてしまいました。だれもそんな話は聞いていません。きのうまで、先生は三学期の遠足の話を楽しそうにしていたのです。
アヤは、寝耳に水のお知らせに、しばらく言葉が出ませんでした。となりの席のカイも、口を開けたまま先生の顔を見ていました。
休み時間になると、教室はその話でもちきりになりました。「どうして急に?」「さびしいね」。先生によると、となりの町の学校で先生が足りなくなり、急に決まったのだそうです。
アヤたちは、残りの一か月で先生に何かできないかと話し合いました。そして、クラス全員で手紙を書き、思い出の写真をはった色紙を作ることにしました。
先生の最後の日、色紙をわたすと、先生は目をうるませて言いました。「寝耳に水で、みんなをおどろかせてごめんね。この色紙は一生の宝物にするよ」。アヤたちは、笑顔で先生を見送りました。