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長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ
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秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ
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淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
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瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
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わたの原 こぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
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契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
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憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
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高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
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音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
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夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞ吹く
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さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
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嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり
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心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
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春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
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もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
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恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
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朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
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今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな
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夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
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いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
