故事成語辞典
わざとらしいおせじやきざな言葉を聞いて、いやな気持ちになること。
歯が浮くようなおせじを言われて、かえってこまってしまった。
ある日、ハルカのクラスでは、授業参観がありました。教室のうしろには、お父さんやお母さんたちがずらりとならんでいます。国語の時間、先生がハルカのとなりの席のケンタを指名しました。ケンタは、いつもとはまるでちがう、ていねいな言葉で答えました。「ぼくは、この物語の主人公の、やさしい心にとても感動いたしました。みなさまも、ぜひ読んでみてくださいませ」。教室のうしろから、くすくすと笑い声がもれました。ふだんのケンタを知っているハルカは、あまりのわざとらしさに、歯が浮くような気持ちになりました。休み時間、ハルカはケンタに言いました。「さっきの答え、ちょっと歯が浮いたよ。いつものケンタの言葉で言えばよかったのに」。ケンタは、頭をかきながら笑いました。「お母さんが見てるから、かっこつけようと思ったんだ。でも、自分でも歯が浮きそうだった」。次の算数の時間、ケンタはまた指名されました。今度は、いつものケンタらしく、「えっと、三かける四で、十二です!」と元気に答えました。教室のうしろで、ケンタのお母さんが、うれしそうにうなずいていました。ハルカは、かざらない言葉のほうが、ずっと気持ちが伝わるのだと思ったのでした。
ある日、ハルカのクラスでは、授業参観がありました。教室のうしろには、お父さんやお母さんたちがずらりとならんでいます。
国語の時間、先生がハルカのとなりの席のケンタを指名しました。ケンタは、いつもとはまるでちがう、ていねいな言葉で答えました。「ぼくは、この物語の主人公の、やさしい心にとても感動いたしました。みなさまも、ぜひ読んでみてくださいませ」。
教室のうしろから、くすくすと笑い声がもれました。ふだんのケンタを知っているハルカは、あまりのわざとらしさに、歯が浮くような気持ちになりました。
休み時間、ハルカはケンタに言いました。「さっきの答え、ちょっと歯が浮いたよ。いつものケンタの言葉で言えばよかったのに」。
ケンタは、頭をかきながら笑いました。「お母さんが見てるから、かっこつけようと思ったんだ。でも、自分でも歯が浮きそうだった」。
次の算数の時間、ケンタはまた指名されました。今度は、いつものケンタらしく、「えっと、三かける四で、十二です!」と元気に答えました。
教室のうしろで、ケンタのお母さんが、うれしそうにうなずいていました。ハルカは、かざらない言葉のほうが、ずっと気持ちが伝わるのだと思ったのでした。
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