四月、ハルカのクラスに新しい担任の先生がやってきました。背が高く、声の大きな男の先生です。
クラスのみんなは、すぐに先生を気に入ったようでした。でも、ハルカはなぜか、先生とうまく話せませんでした。先生が何か悪いことをしたわけではないのに、なんとなく近づきにくいのです。
家に帰ってお母さんに話すと、お母さんは言いました。「理由はないけど、なんとなく虫が好かないって感じることは、だれにでもあるよ。でも、もう少し様子を見てごらん」
ある日、ハルカが学級文庫の本を一人で整理していると、先生が手伝いに来てくれました。先生は、ハルカが好きな作家の本を手に取って、「先生もこの人の本が大好きなんだ」と言いました。
それから二人は、好きな本の話でもり上がりました。先生の声が大きいのは、うしろの席の子にも聞こえるように気をつけているからだということも、話してわかりました。
家に帰ったハルカは、お母さんに言いました。「虫が好かないと思っていたけど、話してみたら、いい先生だったよ」。それからハルカは、最初の印象だけで人を決めつけないようにしようと思いました。