故事成語辞典
手柄や勝ちを相手にゆずって、相手を引き立てること。
試合の最後のシュートは、今日で引退する先輩に打ってもらい、花を持たせた。
町内会の夏祭りのポスターは、毎年、子ども会の五年生と六年生がかきます。今年は、五年生のトワと、六年生のスミレの二人でした。公民館の大きな机に紙を広げて、二人は三日かけて絵をしあげました。まん中の大きな金魚と、まわりのちょうちんをかいたのはトワです。スミレは、日にちと場所を、太いペンで一字ずつ書きました。字は少しゆれていて、スミレは何度も消しては書き直しました。できあがったポスターを見に、町内会長さんがやって来ました。「これは見事な金魚だ。だれがかいたんだい」トワが口を開きかけたとき、となりでスミレがうつむいたのが見えました。六年生のスミレにとって、子ども会でポスターをかくのは、今年が最後です。「スミレちゃんです。ぼくは、ちょっと色をぬっただけ」スミレはびっくりした顔でトワを見ましたが、会長さんは「さすが六年生だ」と大きくうなずきました。トワは、スミレに花を持たせたつもりでした。ポスターは、次の日から商店街のあちこちにはられました。夏祭りの夜、トワはわたあめの列にならびながら、八百屋さんのかべのポスターを見上げました。金魚のしっぽの先に、えんぴつでうすく、小さな字が書いてあります。「絵・トワ」。スミレの字でした。
町内会の夏祭りのポスターは、毎年、子ども会の五年生と六年生がかきます。今年は、五年生のトワと、六年生のスミレの二人でした。
公民館の大きな机に紙を広げて、二人は三日かけて絵をしあげました。まん中の大きな金魚と、まわりのちょうちんをかいたのはトワです。スミレは、日にちと場所を、太いペンで一字ずつ書きました。字は少しゆれていて、スミレは何度も消しては書き直しました。
できあがったポスターを見に、町内会長さんがやって来ました。「これは見事な金魚だ。だれがかいたんだい」
トワが口を開きかけたとき、となりでスミレがうつむいたのが見えました。六年生のスミレにとって、子ども会でポスターをかくのは、今年が最後です。
「スミレちゃんです。ぼくは、ちょっと色をぬっただけ」
スミレはびっくりした顔でトワを見ましたが、会長さんは「さすが六年生だ」と大きくうなずきました。トワは、スミレに花を持たせたつもりでした。
ポスターは、次の日から商店街のあちこちにはられました。夏祭りの夜、トワはわたあめの列にならびながら、八百屋さんのかべのポスターを見上げました。金魚のしっぽの先に、えんぴつでうすく、小さな字が書いてあります。「絵・トワ」。スミレの字でした。
花のようにはなやかな役目を相手にゆずって、引き立てることにたとえた言い方です。
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